「労働者」とは何か?

今回は、「労働者」とは何かについて、考えたことを書いていきます。特に収入を将来上げたいと思われている若手の社員や就活をしている学生などには参考になると思います。

目次

 

「労働者」とは?

まずは少し概念的なお話になりますが、この「労働者」という言葉を分類したいと思います。その上で、わかりやすいのは英単語で「労働者」を表す「labourer」と「worker」の2つの言葉の意味を以下に記載します。

  • labourer
    • 自己の労働力を提供し、その対価としての賃金や給料によって生活する者
  • worker
    • ある目的を達成するために努力することに対して対価が支払われる者

なぜ、この2つの単語を上げたかというと、「労働者」には2つのタイプがいるということを強調したかったからです。一つ目のタイプは、「labourer」のように自分自身の肉体的・精神的負担を提供する代わりにその対価を貰うために働く労働者で、日本の多くの労働者は「labourer」型の労働をしております。もう一方のタイプは、「worker」のように自分が達成したい野望や目的の達成のために仕事をし、お金をもらっている労働者で日本には正直少ないタイプの労働者かと思います。

そして、この定義からわかるように決定的な違いは、「labourer」型の労働者は自分の働く時間が長くなる・精神的負担が大きくなれば給料が上がる労働を強いられております。昔は、blue-collarと言われているような肉体的労働だけでしたが、今ではITコンサルやSIer、大手の会社員でさえも自分の目的や野望のために働いている人は減少し、会社からお金をもらうために残業したりと身を削ってお金をもらっている人が多いのではないでしょうか。そのため、これは感覚的な部分もありますが、「labourer」型の労働者の給料には限界があります。何かを成し遂げるために働いているわけではないため、一企業の社員として、年収400〜2,000万円程度の幅の中でほとんどの方が働いております。もっと年収が高いケースもありますが、意外と年収3,000万もらっている労働者で目的も野望もなく、身売りするような労働者もあまりいないのも事実だと思います。そのため、多くの労働者が年収を上げようとする場合には、残念ながら働く時間を増やす、精神的負担の大きい仕事をすればいいのです。結果として、大手企業で働いていて年収1,000万円を稼いでいる労働者には、残業時間も多いということが現実になっているでしょう。

一方で「worker」型の労働者はどうでしょうか。確かに「worker」型の労働者の労働時間が短いわけではないのも事実ですが、彼ら・彼女らはほとんどのケースで自分の野望や目的を実現するために働いております。そのため、会社から与えられている仕事の中でも野望や目的の実現に直結しない仕事は極力せずに、自己実現のために勉強などの努力を惜しまずに自分の時間を費やします。確かに、この自己実現のための時間を労働時間という人たちもいるとは思いますが、これはあくまでも自己実現のための時間であり、働かされているといった感情やこの時間にもお金をくれとは一切に思っていないでしょう。そのため、自己実現のために働いている「worker」型の労働者の多くが将来的に独立や経営層になっていることが多いです。そして、事実として把握しておいた方が良いこととして、「labourer」型の労働者に対して出る年収400〜2,000万円程度の幅の中にあることに対して、「worker」型の労働者は最初こそ同じレンジの給料ですが、独立や経営層になる頃には、自分が使えるお金の幅や年収が2,000万じゃ収まらず、5,000万円、6,000万円や多ければ数億、数十億円といった額になってきます。

30歳で年収1,000万円を目指すなら正直どちらでも良いですが、「labourer」型であればひたすら誰よりも会社の求めるように働き続ければ良いです。ただ、「worker」として働いている人たちは、自分の自己実現のために無駄なことはせず、労働も苦役ではないので精神的にも裕福なケースが多いということは事実として知っておいた方が良いでしょう。

では、次に「優秀な労働者とは何か?」という問いに回答していきます。

優秀な「労働者」とは?

ここでも先述した「labourer」型の労働者と「worker」型の労働者の2つの概念を使いながら説明します。

まず、「labourer」型の労働者における優秀さとは、会社が求めるルールや基準の中で従順に働けることです。特に、大手のような大企業のように仕組みが整っている企業の社員では特に当てはまります。そして、どのような人材が多いかというと、残念ながら学歴が高い人間が当てはまるケースが圧倒的に多いのも「labourer」型の優秀な労働者になります。何かルールが与えられた時に、内容を理解し、従順に徹底することは正直学校での勉強と同じだったりするため、学歴と優秀さが比例してしまうのです。そのため、大手企業は学歴フィルタをして、社員を獲得しようとすることは理にかなってしまっております。そして、ここで給与を上げたいのであれば、会社が求めるルールや基準を徹底的に理解し、長い時間働けば良いです。実際に日系大手も、ITコンサルなども同じ仕組みの中で年収が高い人間が多いです。

一方で、そういった人材が「worker」型の労働者として、本当に優秀かでいうと、答えはNoになります。「worker」型の労働者は自己実現のために躍起になっているケースが多く、受け身になることが多い「labourer」型の労働者よりも色んなことを勉強し、知っております。そのため、スタートアップや独立した後でも自分で努力出来る人間が多いですが、「labourer」型の労働者はスタートアップや独立した場合に仕事が上手く行かなくなることが多いというのが事実です。では、「worker」型の労働者の優秀さとは何でしょうか。正直、答えが明確にあるわけではないですが、ビジネスを考えられるセンスと努力できる力の2つが高いレベルな人が当てはまると考えます。センスは普段から実行可能性や実現可能性を徹底的に考えたり、センスがある人と話すことで高められますが、そのレベルをどのレベルで出来るかが優秀さになると思います。そして、何かをやるとなった時に努力できるかどうかも非常に重要です。多く人がこれでいいと諦めてしまう中でも、毎日コツコツとやり続けられる・努力を惜しまない人間が優秀だと感じます。

最後に

今回は、「労働者」とは何かということを、「labourer」型と「worker」型の労働者の2つの観点でお話ししました。そして、特に強調したいのは自分が2,000万円やそれ以上の高い年収を実現したいのであれば、「worker」型の労働者を目指すべきだと思います。簡単ではないですが、挙げた2つのタイプの労働者の違いを知らずに、一生「labourer」型の労働者になっていればそれが一番残念です。そのため、今回の投稿の中では、この2つのタイプがあることを知っただけでもかなり有意義なことだと思います。筆者自身もこの2つを知ったことで、キャリアを考えるようになりましたので、読者の方々にとってのキャリを考えるきっかけにもなれば良かったと思います!