プロフェッショナルな労働者とは?

 ここまで、『「労働者」とは何か?』、「労働時間と生産性」というテーマで労働者や労働時間・生産性というものが、何かご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今回も関連記事になりますが、労働時間と生産性の発展編として、「プロフェッショナルな労働者」とは何なのかということをテーマに記事を書いていきます。

 就職活動や転職活動の場、新卒で働く2,3年間の中でもよくプロとして働くことについて、指摘を貰ったり、助言をもらったりという機会があるかと思いますが、その際にプロが何かは正直あまりわからない・イメージできない人が多いかと思います。実際に筆者自身、当時は何もわからないまま、指摘を貰ってました笑

 だからこそ、今回は就職活動や転職活動の場、職場などで少しでも意識してもらえるような記事が書ければと思ってますので、ぜひご覧ください!

www.digitaldolphin.jp

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はじめに

 さて、「プロフェッショナル」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。筆者もそうですが、多くの人が、プロスポーツ選手を思い浮かべるのではないかと思います。小さい子供の時からプロといえば、プロサッカー選手やプロ野球選手、今ではプロゲーマーなどの多くのお仕事ではプロという概念が強く意識されておりますが、エンジニアやセールスマンというお仕事にはプロという概念はないのも事実です。そこで、次の問いに対する回答をプロスポーツ選手の例を出しながら、作っていきましょう。

 「ビジネスマンにおけるプロとは何でしょうか?」

プロフェッショナルなビジネスマンとは?

 例えば、プロ野球選手を例に考えてみましょう。「野球選手におけるプロとは?」と聞かれれば、以下のようなことを思い浮かべるでしょう。

・選球眼が良い

・めちゃくちゃ良い肩を持っている

・明日がめちゃくちゃ早い

・一つ一つプレーの質が高い

・ドラフトがある

年俸制で契約をしている

・高いボーナスがある

・移籍がある

・プライベートも規律正しい

他にも多くものがあると思いますが、プロにおいて重要なことは何でしょうか。そこで今回はいくつかの観点でプロというものを分解してみましょう。今回は現在筆者が考えている以下の3つの観点でご紹介します!

★プロを考える上での観点

  1. こだわり
  2. 報酬
  3. 試合と練習
1.こだわり

 プロフェッショナルにおける「こだわり」というキーワードを考える上で、筆者がめちゃくちゃ好きな動画があります!(サッカー好きな人にはおすすめです…!)

 この動画に登場する中村憲剛選手はサッカーの元日本代表で、試合の流れを変えるきっかけを作れる選手だったと筆者は思います。加えて、この選手の特徴として注目するべきは、一つ一つのプレーが非常に高いレベルで丁寧なことです。そして、この高いレベルでの丁寧なプレーを支えているのは、動画のテーマにもなっている「こだわり」だと思います。

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 学生時代、部活に取り組んでいた方なら多くの人が反省したことがあるかもしれませんが、サッカーであればパス練の際のワンタッチワンタッチを雑にしてしまう瞬間があったり、野球であればバッティング練習の際の一打一打を雑にしてしまう瞬間があったり、テニスでも卓球でも吹奏楽でも、一つ一つの細かいことに高い意識を持って取り組めたはずなので出来なかったという経験はないでしょうか。一方で、プロになった同級生がいればわかりやすいですが、プロになった同級生は一つ一つの練習や基礎動作一つ一つに高いレベルでこだわりを持っていたなと感じたことはないでしょうか。

 この動画で中村憲剛が言っていることはプロの本質の一つで、「誰でも出来るようなことでも、高いレベルでこだわりを持って、やり続けられるかどうか」がプロとして重要なことの一つなんだと思います。これはイチロー大谷翔平といった選手を思い浮かべても非常によく当てはまります。そして、「やり続けられるかどうか」ということがその選手の選手寿命を長くし、調子の波を抑えて安定的にプレーすることに繋がるかと思います。

 プロのビジネスマンという概念を考える上でも「誰でも出来るようなことでも、高いレベルでこだわりを持って、やり続けられるかどうか」が大事ということは全く同じです。取引先との会食後にお礼の連絡をしたり、お問合せを頂いた際に聞きたいことの本質を考え抜いて適切な回答をしたり、身だしなみや言葉遣いも含めて安心を与えられる人を演じたり、とビジネスマンがこだわりを持つことは多岐にわかるかもしれませんが、優秀なビジネスマンと言われるような方々はこれらを確実にこだわってます。そして、そういったビジネスマンが確実にプロのビジネスマンだと筆者は考えます。実際に筆者がファーストキャリアで入った企業にもビジネス・プライベート問わず非常に高いレベルで一つ一つのこだわりを持って働いていた方がいらっしゃいましたが、「お客様との約束を守る」、「納品が遅れるときにはわかったタイミングで報告し、相談する」、「資料一つ一つも細かい部分までミスなく丁寧なものを出す」、といった誰でも出来るかもしれないが、意外と多くビジネスマンができないことの一つ一つを高いレベルで実施することで、ビジネスにおける成果も出しておりましたし、クライアントからの信頼も高かったです。

2.報酬

 次に、プロにおいて重要になるのは、「報酬」になるかと思います。そして、報酬に関して重要となるのは、「年棒」と「ボーナス」の2つの概念です。そもそも「年棒」と「ボーナス」とはそれぞれなんでしょうか?調べてもあんまり出てきませんが、筆者は以下のような定義がふさわしいと考えております。

年棒

次の契約期間に対象の労働者が稼ぐであろう売上に対する期待値として報酬

ボーナス

現在の契約期間に対象の労働者が稼いだ結果に対する報酬

 実際に野球選手やサッカー選手の年棒は、次のシーズンや数年に渡り、その選手が活躍してくれることの期待に対して決まっているケースが多く、若く期待される選手の年棒が高くなるのはそれが所以だと思います。一方で、期待される以上に結果を出したときには、それに対してボーナスが支払われるのもプロの選手なら当たり前です。

 では、ビジネスマンにおいてはどうでしょうか?仕組み自体は、例に挙げたプロスポーツ選手と全く同じだと思います。年棒制ではないかもしれませんが、固定給というのはあくまでも自分自身の役割やパフォーマンスに対する期待値として支払われる報酬で、ボーナスというものが自分自身の業務成績などの結果に対して支払われる報酬です。多くのビジネスマンが給料が低いと文句を言いますが、給料が低いというのは自分自身にもっと期待してくれという意志の表れでなければなりませんし、自身の業務成績が良かったという結果があってはじめて成り立つものなのです。逆にいうと客観的にみても、もっと期待されてもいいでしょと思えるビジネスマンや明確に結果を出しているビジネスマンで、給料が低いのであれば、転職して給料を上げるべきだと思いますし、逆に期待も出来ず、結果も出せていないビジネスマンであればもっと給料を下げてもいいとさえ思います。あくまでもプロとしてのお話のため、全然自分はアマチュアでもいいということであれば、今まで話した概念は成り立たないかもしれませんが、プロとして働くのであれば重要な概念です。

 そして、プロスポーツ選手が年棒交渉をするということも今までお話にも通じますが、重要なことになります。自身がより結果を出すための行動を徹底して、パフォーマンスを出せるということをアピールしていれば、チームからの期待は上がり、結果的に年棒が上がります。これは、ビジネスにおいても非常に重要で、自分自身の年収を上げたければ、企業に対して自分がもっと売上を立てられるビジネスマンであることを徹底的にアピールする必要があります。逆にいうと、プロとしての評価はあくまでも報酬になるため、プロであるならば企業にどんどんアピールしてもいいと思いますし、その上で転職というのも一つの選択肢として考えていいと思います。

3.試合と練習

 そして、最後に非常に重要なことが「試合」と「練習」という概念です。「プロは、試合以外でいくら長く練習をしても試合の結果がついてこなければ評価されず、反対に練習時間が短かったとしても試合で結果を出していれば評価されます。」これは練習という概念の差もあるかもしれません。練習とは、ただ単にサッカーのシュート練習や野球のバッティング練習という狭義のものだけではなく、筋トレやストレッチ、オフの時間や睡眠も含めて全ての自分の試合でのパフォーマンスに関わるものは全て練習です。そう考えたときに、先ほど挙げたことを少し変えて表現すると、「プロは、競技練習やオフも含めて試合に対して最大限のパフォーマンスを出せるように生活し、試合で結果を出せれば評価されます。」これが重要な概念になります。

 実際にビジネスにおいても同じですが、労働時間が長くても正直生産量が低ければ意味がありません。反対に労働時間自体は短く、プライベートも含めてかなり充実していても生産量が高ければ評価されるべきです。例えば、筆者が過去に所属していた会社では基本的に残業して働いても見込み残業だったため、給料は変わりませんでした。そんな企業で一緒働いている同僚に、もっとやれる仕事があるからといって、残業してずっと働いている人間がいましたが、その意味することはなんだと思いますか?残念ながら、それは自分自身の1時間あたりの給料を下げていることと同じ意味になります。そして、彼が実施していた生産量は筆者よりも少なかったため、心の底から彼がなんでたくさん働くことがかっこいいと思っているのか、本当にわかりませんでした…笑

 プロとして働く上で重要なのは、「試合で結果を出すためにオフも含めて生活すること」です。だからこそ、今一度自身の業務が本当に結果を出すためになっているのか、無駄はないのかは徹底的に考えて、「練習」時間を過ごしてみてください。前に挙げた"worker"という概念と同じですが、目的を持って働くことで高い給料にも繋がるという意味でも非常に重要です。

さいごに

 今回は、「プロフェッショナルな労働者とは?」という問いに対して、プロスポーツ選手との対比の中で記載してきました。少し結論がフワッとしているものもあるかもしれませんが、「こだわり」、「報酬」、「試合と練習」という3つの観点はプロとして働く上で重要な観点になりますので、今後プロとして働きたいという方や今プロとして働いている方に少しでも参考になればと思います!