労働時間と生産性

 以前、『「労働者」とは何か?』というテーマを元に、"worker"や"labour"といったキーワードをご紹介しましたが、今回はそれに少し似たようなお話をしていければと思います。
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 きっかけは、WIREDで紹介されていた「実は“週4日勤務”で生産性が高まる? アイスランドでの社会実験から見えてきたこと」という記事です。一度、是非読んでみてほしいと思いますが、この記事を読んで筆者が感じたことをここでは、ご紹介していきます。
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目次

労働時間と生産性

 今回、ご紹介した記事を読んで一番強く考えたことは、「労働時間とは何か?」ということです。多くの社会人は、朝9時から夜18時や残業して、20時や21時まで平日は仕事をしていると思います。そして、多くの人はこれが普通だと考えていると思いますが、果たしてそうなのでしょうか。今一度、立ち止まって、仕事をする上での労働時間と生産性を考えてみてほしいのですが、「あなたがやっている仕事は、本当に9時から18時まで働かないと終わらないですか?」と聞かれた時に、「絶対にそうです」と回答する人はどのくらいいるのでしょうか?面白いことに多くの日本人の労働者は、そんな疑問を持たずに働いているのではないでしょうか。そして、そんな問いかけを投げかけられても、「そうするしかないでしょ」と回答してしまう人がかなり多いのではないでしょうか。実際にそう考えている人は筆者の周りにも多いですが、「本当に?」とよく思います。確かに仕事量は多いのかもしれませんが、「今と同じ生産量を出す方法は他にないか」と今自分が置かれている制約を取っ払って考えたことはありますでしょうか。意外とただただ考えていないだけの人が正直多いです。では、労働時間とは何なのでしょうか?生産性とは何なのでしょうか?
 例えば、ある保険会社で働いている営業マンAさんとBさんの例をここでは取り上げてみたいと思います。説明するまでもないかもしれませんが、保険会社の営業マンは多くのお客様にアプローチして、如何に自社の金融商品へ契約してもらえるかが重要となります。その中で、Aさんは、9時から22時まできっちり働いて、1ヶ月で平均12件の契約を獲得し、Bさんは9時から18時で帰宅しているにも関わらず、1ヶ月で平均12件の契約を獲得しているとします。確かに、Bさんの方が生産性が高いということはわかりますが、生産性が高い/低いをわかりやすくするために、「生産性とは、特定の時間あたりに生産できる量(生産量)」という定義としましょう。今回のケースで言えば、生産量は1ヶ月当たりの契約数、特定の時間というのは9時〜18時の労働を1ヶ月実施した際に働く時間である160時間(=20営業日×8時間 ※休憩1時間)になります。そのため、今回のケースにおける生産性とは、160時間あたりの契約数となります。そして、Aさんの場合には12時間働いているため、20営業日×12時間の240時間で12件のため、160時間に換算すると8件という生産性になります。Bさんは当然ながら12件という生産性のため、契約件数ではAさんとBさんは同じ成績かもしれませんが、生産性という面ではBさんはAさんの1.5倍の生産性を出していることになります。Aさんは80時間も多く働いているにも関わらず、Bさんと同じ成績しか出していないため、成果だけを見れば同じ評価かもしれませんが、Bさんの方が正直優秀であると言わざるを得ないと思います。
 例の中でもみたように、労働時間が多いことにより、確かに生産性が低い人でも同じ成果を出そうと思えば、出せるのかもしれませんが、そこまでAさんのように頑張って働く人をあなたは優秀だと思いますか?「優秀でないかもしれないけど、そこまで頑張れるならいいじゃないか?」と意見もあるかもしれません。それはそれでいいと思いますが、80時間という労働時間の差というのは、BさんはAさんと比べれば、週4日で働いても成果が出せることと同じになります。それでは、Bさんが週4日で働き、1日は副業や自分の業務の型化などの時間に当てるようになればどうでしょうか。当然、Aさんとの差は更に広げられる可能性がかなり高くになりますが、その1日分の余分が自分のスキルを磨いたり、より創造的な業務に取り組めたりと良い時間の使い方につながることは言うまでもないでしょう。要は、「生産性を高めることにより、自身のスキルアップや創造的な業務への取り組み繋がる」ということです。

では、生産性を高めるためには?

 「生産性を高めろといっても、そんな簡単には出来ないでしょ」という方も多いかもしれませんが、本当にそうでしょうか?あなたが今やっていることの中で、ほとんどの業務は簡略化されたり、アルバイトにやってもらってもあまり問題ないということも多いのではないでしょうか。そこで、「自身の1日の業務を書き出して、不要なものを省く」ということを徹底してみてください。そして、9時から22時などで働いているのであれば、一度無理難題だとしても9時から18時でやってみて、何が難しかったのかを洗い出してみてください。逆にいうと、9時〜18時以外では絶対に働いてはいけないというルールをルールを自分に課してみて下さい。これは、会社がこうだからとかは正直関係ないです。自分がそのルールでやればいいだけです。業務時間は、確かに9時から22時なのかもしれませんが、18時から22時は自分の仕事をより生産性の高い仕事にするための時間にすればいいだけです。何が何でも9時〜18時で仕事を終えるためには何をするべきかを考え続けてみなければ、絶対に無駄な業務を省くということはできません。これは明日からでも意識出来ることなので、是非やってみて下さい。
 そして、実際にやってみた時にわかることは、9時〜18時をみっちり仕事をするようになり、本当に18時に仕事が終わるようになります。実際に筆者自身が実践してみて、至った感覚でもあるので、皆さんもまずはやってみてほしいですが、そうすると本を読んだり、自身のクライアントのことをより調べたり、色んな方とお会いして自身のナレッジを増やしたりと良いことづくめです。

さいごに

 ここまでは、あくまでも理論的なこととして書いてきましたが、読んで終わりにせずに実践してみることが重要です。上で記載してきたことをまとめますが、重要なことは以下に記載します。

  1. 生産性を高めることにより、自身のスキルアップや創造的な業務への取り組み繋がる
  2. そのために、自身の1日の業務を書き出して、不要なものを省けるものを洗い出す
  3. 洗い出すだけでなく、実践してみて、改善出来ることや会社に要求するべきことは要求する

本当に、これを徹底するだけです。あまりまとまりのない文章となりましたが、少しでも多くの人にとって、意味のあるものになればと思いますし、労働時間を抑えることで、副業などの別の稼ぎにも繋がるケースも圧倒的に多くなるため、無意味なことは絶対にないです。実際に日本が衰退しないためにもかなり重要なことになると筆者自身は考えているので、心から日本の多くの労働者が意識して働くことになればと思ってます。
今回は、自身の意見をただただ述べるだけでしたが、参考にしてみて下さい!